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雑記

人生、何があるかわからないよね。

   2024

1122
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   2007

0823
【正義】…正しいみちすじ。人がふみ行うべき正しい道。
【正しい】…まがっていない。よこしまでない。


++++++++++++++++++++++++++++++


「お前に正義の心はないのかっ!」
碧い瞳の青年は問うた。
「あるさ。僕は僕の正義に、実に忠実に行動しているのだから」
薄紫の髪をした青年が答えた。

広い部屋。
窓はない。入り口はひとつ。
出口は存在しない。
光源はどこにもないはずなのに、不思議と相手の位置を知るには苦労しない程度には薄明るい。
さすがに表情までは見えないが。
しかし、二人には互いの表情が容易に想像できたことだろう。

「…じゃあ、お前の正義は誰を幸せにできるんだ?」
銀色に鈍く輝く刃に手をかける。
「僕を」

「―――君の正義も、そうだろう?」

正義なんてものは結局、自分が幸福になる為に存在する。
いや、それは本当は正義ではなかったのかもしれない。
たとえて言うならそう、復讐。
1を奪われたものは100を奪い、100を失った集団は1を奪う。
そうでなければ、彼らに幸福はない。
もう、前に進めない。
「そうだな、でも」

「お前の正義は悲しいよ」

銀の輝きは鋭く変わり、二つの線が交差する。
「それでも僕は…彼女を奪った世界、を・・許しは…しな、い…っ」
薄紫の髪が踊る。地に向けて、ゆっくりと。
独り残された碧い瞳はその剣を握り締めると呟いた。
「お前の正義は悲しいよ」

「だって俺の正義には、お前も入ってたんだぜ…?」

青年はその碧い瞳に、かつては親友と呼んだ男の、もう動くことはないその姿を焼き付けた。


+++++++++++++++++++++++++++++++


たぶんこの後、碧い瞳のほうは英雄として称えられる。
国に対する反逆者を討伐したから。
でも、薄紫の髪のほうが国への反逆を成功させていたら、たぶんか彼のほうが英雄となっていた。
国の愚かしい制度を変えた英雄に。
薄紫の方もね、自分だけの幸せを望んでいたんじゃない。
彼に賛同する人はいたし、誰を傷付けるつもりも本当はなかった。
ただ、自分の正義が「世界を変えたい」という思いと「大切なものを奪った世界を許さない」という思いの複合物だから、私怨(?)が入ってるから「誰が幸せになるんだ」といわれたら「僕が」と答えることしかできなかった。
結局、誤解したまま、されたまま消えていってしまっただけで。
だから二人がそれぞれに抱えていたものは正義であるし、正義ではない。

これももうちょっと設定を煮詰めればひとつの物語として独立できるなぁ。
今書いただけだと、すごく説明不足だしね。
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